みなさま
とうとう
この時を迎えてしまいました
決意
6月より
パンのご予約を
承ることができなくなりました
お伝えしたいことは
たくさん
たくさん
あるのですが
もう
もう
なにも
言えません
開店してから
これまで４年間
たくさんの「ご予約のパン」に
助けてきてもらいました
このところの
「パン不足」において
これまでの制度を
いちから
考え直す機会を与えられ
わたしも
職人も
花道も
日々
葛藤してまいりました
ですが
昨日
大きなきっかけとなることが
何件か
続いたあと
とうとう
販売員兼
主婦兼
母は
こときれてしまいました
もう
だめだ
何時間かの
沈黙のあと
子どもたちに
話を聞いてもらい
（職人はまだ仕込みでしたので）
決断しました
夜が明けて
今も
涙がでるほど
苦しいですが
ご予約で
パンを取り置くことは
もう
できません
とても
とても
申し訳ない気持ちでいっぱいです
それ以外に
なにも言えません
幾人も
幾人も
お世話になった方
通い続けてくださっている方の
お顔が
浮かびます
あのかたも
あのかたも
きっと
お困りになるだろう
もう
これからは
いちかわ製パン店には
来て下さらないだろう
助けていただいたかた
ばかりです
それでも
それでも
こうすることでしか
もう
前には進めません
本当に
申しわけありません
唯一
変わらないのは
これまで通り
みなさまが
好きになってくださった
いちかわ製パン店のパンを
こころを込めて
焼くことです
そして
ご予約のパンを
取っておかないことで
今までよりも
ながい時間
今までよりも
多くのかたに
今までよりも
たくさんの
パンを
お渡しできます
みなさまの
がっかりしたお姿を考えて
昨日から
ちいさく
ちいさく
ちいさく
縮こまっておりました
また
今日からも
ごめんなさいと
あらたに
お詫びする日々が
始まります
わかっていないような
次男も
夜
眠るわたしの顔を
そっと
なでていてくれました
しっかり
しなければ
みなさまには
ただ
ただ
ごめんなさい
今まで
ご予約くださっていたみなさま
ありがとうございました
心ここにあらずで
ぼんやり
台所仕事をする
わたしの
仕事についての
相談を
真剣に聞く
兄弟
